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東京地方裁判所 昭和58年(ワ)7057号 判決 1985年6月27日

原告

小野英明

右訴訟代理人

大貫端久

深澤信夫

被告

新共済ファミリーサービス株式会社

右代表者

千明文夫

被告

千明文夫

右両名訴訟代理人

北村行夫

右訴訟復代理人

藤田徹

主文

一  被告らは、各自、原告に対し、金三〇九万六〇〇〇円及びこれに対する昭和五七年五月一八日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用はこれを一〇分し、その七を原告、その三を被告らの各負担とする。

四  この判決は、原告勝訴の部分に限り仮に執行することができる。

事実

(申立て)

一  原告

1  被告らは、各自、原告に対し、金一〇三二万円及びこれに対する昭和五七年五月一八日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

3  仮執行宣言

二  被告ら

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

(主張)

一  請求原因

1  当事者等

被告新共済ファミリー株式会社(以下「被告会社」という。)は、共済組合施設の紹介、共済組合事業の概況、共済年金等、共済組合関係の記事を掲載する月刊誌「ニュー共済ファミリー」を発行して、防衛庁、農林水産省、国鉄等官公庁の共済組合に無料で配布している会社であり、被告千明文夫(以下「被告千明」という。)は、被告会社の代表取締役である。

後に判明したところによると、被告会社及び「ニュー共済ファミリー」は、共済組合とは全く関係がなかつたのであるが、同誌の掲載記事が前記のようなものであつたし、官公庁を通じて一般組合員に配布されているため、公務員の同誌に対する信頼は厚く、陸上自衛隊宇都宮駐屯地に勤務していた自衛官である原告も、同誌が共済組合の指導下にあるもの、或いは密接な関係にあるものと信じていた。

2  鉄建住宅株式会社の不法行為

(一) 原告は、かねて、家族の居住用の土地を購入したいと考え、「ニュー共済ファミリー」に長期にわたつて掲載されていた、大京建設株式会社、日本相互住宅株式会社、鉄建住宅株式会社(以下では「株式会社」を省略する。)を売主とする不動産売買の記事に注目していたところ、昭和五七年二月ころ、千葉県山武郡大網に手頃な土地があることを知り、同誌で指定されているとおり、被告会社に対してはがきで資料の請求をした。

(二) その直後、後に鉄建住宅の社員であることが判明したが当時は被告会社の社員であると称していた倉田映二(以下「倉田」という。)から電話連絡があり、右土地の見学を勧められ同行した。しかし、右土地は気に入らなかつたので断つた。

(三) 次いで、右倉田及び後に鉄建住宅の専務取締役であることが判明したが当時は被告会社の社員であると称していた紺谷昭夫(以下「紺谷」という。)から、鉄建住宅所有で被告会社が売買の仲介をしているという、千葉県山武郡大網白里町柳橋字北谷原八四四番一、同八四七番三の土地(以下「本件土地」という。)の購入を勧められたので、原告は、被告会社が仲介している土地ならば問題はないと信じて買受けることとし、昭和五七年三月一九日、鉄建住宅との間で、本社土地を代金一一四二万円で買受ける旨の売買契約を締結し、同日手付金五〇万円、同月二四日中間金三〇〇万円、同月三〇日中間金三八二万円、五月一七日中間金三〇〇万円、合計一〇三二万円を支払つた。

(四) ところが、本件土地は、南房商事株式会社らの所有であり、鉄建住宅は右所有者らとの間で売買契約を締結している事実もなかつたので、原告は所有権移転登記を受けることができず、売買代金として支払つた一〇三二万円相当の損害をこうむつた。鉄建住宅は、公務員である原告の「ニュー共済ファミリー」、被告会社に対する信頼を利用して、右売買代金を詐取したのである。

3  被告らの鉄建住宅との共同不法行為

(一) 原告は、次の理由から、本件土地の仲介者が被告会社であり、紺谷らがその社員であると信じて取引をした。

(1) 「ニュー共済ファミリー」は、分譲地の紹介記事を多数掲載しているが、右記事は、単なる広告として他の記事と分離して掲載されているのではなく、また、その記事の内容も、組合員への特別分譲である旨表示するなど殊更公務員との関係を強調し、かつ、右分譲地はあたかも被告会社が仲介するか、少くとも推せんする物件であるかのような印象を与える内容になつている。

(2) 売主として不動産会社の名称が表示されているが、その住所、連絡先等は表示されておらず、分譲地を購入しようとする者は、先ず被告会社に連絡をとらなければ交渉することができないことになつている。

(3) 「ニュー共済ファミリー」掲載の分譲地は、すべて優良物件ばかりであるという保証文言が掲載されている。

(4) 分譲地を見学する際には、「ニュー共済ファミリー」の案内旗を持つた係員が案内する旨、記載されている。現に、原告が昭和五七年二月ころ大網の土地を見に行つた際、倉田は「ニュー共済ファミリー」の文字入りの腕章をしていた。

(5) 倉田、紺谷は、原告に対し、被告会社のシンボルマーク、「ニュー共済ファミリー社」の文字の入つた名刺を使用していたし、原告との連絡用に、右シンボルマーク及び被告会社の社名入りの便箋、封筒を使用していた。

(二) 被告らは、鉄建住宅が、売買契約を締結していない土地を自己所有地であるかのように装つて顧客から金銭を詐取することを知りながら、「ニュー共済ファミリー」に分譲地の紹介記事を掲載し、社名入りの名刺等の使用を許諾して、鉄建住宅の不法行為に加担した。仮に知らなかつたとしても、被告千明は、鉄建住宅の代表取締役扇谷和樹、専務取締役紺谷と親しく、かつて、扇谷が設立した日本相互住宅の監査役に就任していたこともあつたのであつて、扇谷らの不動産売買の方法、鉄建住宅の財政状況について熟知しており、原告との売買契約が履行不能になることを予知し、又は予知し得る立場にあつた。したがつて、「ニュー共済ファミリー」に、あたかも被告会社が推せんし保証するかのような分譲記事を掲載すべきではなかつたし、鉄建住宅に対し、名刺、便箋、封筒、腕章等に被告会社のシンボルマーク、社名を使用することを許可し、原告を信用させるような行為をすべきではなかつた。少くとも、前記のような広告を掲載し販売システムをとる以上、不動産会社の経営状態、不動産取引の状況に十分注意し、或は広告の体裁を変え、読者に被告会社と不動産会社とは無関係であることを明確にわかるようにすべきであつた。

しかるに被告会社は、このような措置をとらず、漫然名刺等の使用を放置したばかりか、高額の掲載料をとつて利益をあげていた。

4  よつて、原告は、被告会社に対しては民法四四条、七一九条により、被告千明に対しては同じく七一九条により、鉄建住宅との共同不法行為に基づく損害賠償として、一〇三二万円と、不法行為の後である昭和五七年五月一八日から支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

二  認否

1  請求原因1のうち、原告に関する部分は不知、その余は認める。

2  同2は不知。

3  同3は、(一)のうち(2)、(3)の事実は認める。ただし、保証文言は、物件が優良である旨の保証であり、売主である鉄建住宅の行為によつて生じた債務について保証する趣旨ではない。その余は不知。(二)は否認する。

三  被告の反論

1  被告会社は、公務員共済組合員を読者とする「ニュー共済ファミリー」を、毎月約五五万部定期発行して同誌上の広告主から広告掲載料を取得し、又、読者に対し商品の通信販売を行つている。

2  現在、鉄建住宅が被告会社の名義を冒用し、その信用を利用して営業活動をしてきたことが判明しているが、被告会社は、原告が鉄建住宅との間で売買契約を締結した当時このことを知らず、これを容認したことはない。

被告会社は、昭和五七年一〇月ころ、鉄建住宅が買主あてに発送した郵便物が被告会社あてに返送されたことによつて、鉄建住宅が被告会社に無断で、そのシンボルマークや社名のデザインを模倣した封筒を製造し、使用していることを知つたので、扇谷を追及するとともに残存する封筒、名刺等を引渡させ、さらに自力救済的に持帰り、昭和五七年一一月一三日、同一七日には内容証明郵便でこれらの使用を禁ずる旨、通告した。

鉄建住宅は、封筒や名刺に被告会社名、本社、事務所の住所等を表示するとともに、不動産相談室として鉄建住宅の住所、電話番号を記載し、顧客からは鉄建住宅あてに手紙が届き、電話がかかるようにしていた。被告会社は右電話は知らされておらず、鉄建住宅が被告会社の名で電話を受けていることを知らなかつた。

3  「ニュー共済ファミリー」に掲載した物件には、鉄建住宅が所有者に無断で売却した物件はない。本件物件についても、鉄建住宅は前所有者との間で売買契約を締結していた。

4  鉄建住宅は、昭和五七年六月ころから被告会社に対する広告代金の支払を遅滞するようになつたが、このことから鉄建住宅が原告に対し本件物件の所有権移転登記をすることができない状況にあることを判定することはできない。被告会社は、昭和五七年秋ころから鉄建住宅の資力を疑うようになり、また前記2の事態が生じたので、以後は読者からの反響のはがきを鉄建住宅に交付しなかつた。昭和五七年三月ころの本件取引が履行不能になることを予見したことはないし、予見可能性もない。

5  本件は、原告、鉄建住宅間の売買契約に関する鉄建住宅の債務不履行事件にすぎず、被告らが責任を負ういわれはない。

(証拠)<省略>

理由

一当事者等について

1  被告会社は、共済組合施設の紹介、共済組合事業の概況、共済年金等共済関係の記事を掲載する月刊誌「ニュー共済ファミリー」を発行して、官公庁の共済組合に無料で配布している会社であり、被告千明はその代表取締役であること、被告会社、「ニュー共済ファミリー」は、共済組合とは何ら関係のないものであることは、当事者間に争いがない。

2  原告本人尋問の結果によれば、原告は、自衛官であるところ、昭和五六、七年ころは陸上自衛隊宇都宮駐屯地に勤務しており、同所で配布される「ニュー共済ファミリー」を、共済組合の指導下にあるか、少くとも密接な関係のある雑誌であると考えていたことが認められる。

二鉄建住宅の不法行為について

1  <証拠>によれば、次の事実が認められる。

(一)  原告は、昭和五六年ころから毎月「ニュー共済ファミリー」を読んでいたところ、同誌の広告記事を見て外房方面に居住用の土地を買求めたいと思い、昭和五七年二月ころ同誌の綴じ込みはがきで被告会社に対し資料請求をした。折り返し倉田から電話連絡があり、同月中旬、上野駅で落ち合つて現地を案内された。そのとき倉田は、「共済」と書かれた腕章をつけ、「ニュー共済ファミリーサービス社」という名称が入り、裏面には「共済ファミリー発行主旨」が印刷された名刺を差し出し被告会社の社員である旨述べたので、原告は、倉田を被告会社の社員であると信じた。

(二)  原告は、当日見分した土地は気に入らなかつたので、買受申込をしなかつたが、同月末ころ、倉田が紺谷を伴つて宇都宮まで来て、本件物件を勧めたので、そのころ現地を見たうえで、買受けることとした。本件物件は、当時未だ宅地造成はされておらず、松林であつた。紺谷は、本件物件は、登記簿上南房商事所有になつているが、鉄建住宅が売却の委任を受けていること、自分は被告会社の社員で、鉄建住宅に代つて交渉している旨説明し、倉田と同様の名刺、被告会社名入りの用箋を使用していたので、原告は、被告会社の社員が鉄建住宅に出向し、仲介業務をしていると信じていた。

(三)  原告は、昭和五七年三月一七日、宇都宮の官舎で同月一九日付の鉄建住宅との間の売買契約書を作成し、同月一九日手付金五〇万円、同月二四日中間金のうち三〇〇万円、同月三〇日同じく三八二万円、同年五月一七日同じく三〇〇万円、合計一〇三二万円を鉄建住宅に支払つた。

(四)  右契約では、残代金一一〇万円は、同年六月四日迄に支払うこととされており、右代金支払後に所有権移転登記手続をするという約束であつたが、そのころ未だ宅地造成がなされていなかつたので、原告は造成が終つてから支払おうと考え、支払わなかつた。

(五)  その後も宅地造成、所有権移転登記手続がなされなかつたので、不安になつた原告は、南房商事に問合わせたが回答がなく、倉田、紺谷に連絡をとつても全国の公務員に分譲している会社であるから信用して貰いたいと述べるばかりで、延引しているうち、昭和五八年二月二二日の新聞で、鉄建住宅が東京都知事から宅地建物取引業の免許の取消処分を受けたことを知つた。

(六)  鉄建住宅は、「ニュー共済ファミリー」を見て連絡してくる顧客の九九パーセントが公務員であるため、営業をするうえで被告会社の名を使用する方がその信用を得て有利であると考え、被告らには無断で被告会社の名称を使用し、紺谷、倉田及び香村和夫らは、被告会社の社員であると称していた。

(七)  本件物件は、鷹商興業株式会社が南房商事から買受け、鉄建住宅は、鷹商興業から買付けて約束手形で代金を支払つていた。しかし、右約束手形を決済することができず、原告に対する所有権移転登記手続をすることができなかつた。

2  以上の事実を総合すれば、鉄建住宅は、被告会社の公務員に対する信用を利用して宅地販売を行つてきたものであるところ、本件物件について、前所有者との間で売買代金を支払わず、所有権移転登記を受けていないにもかかわらず、原告に対し、これが被告会社の仲介による優良物件であると偽り、原告に対する所有権移転登記をすることができないかも知れないことを予見しながら売買契約を締結し、手付金、中間金名下に一〇三二万円を詐取したものというべきで、単なる債務不履行というにとどまらず、原告に対する不法行為を構成するものというべきである。

三被告らの共同不法行為について

1  <証拠>によれば、被告千明は、昭和五六年五月二日現在、日本相互住宅の監査役として登記されていることが認められ、証人紺谷昭夫の証言によれば、扇谷、紺谷らは、昭和五五年ころから、順次、湯元ガーデン、大京建設、日本相互住宅、本州土地、鉄建住宅の名称で営業してきたこと、「ニュー共済ファミリー」には、湯元ガーデン当時から広告を掲載(その形体は、後記2で認定するとおりである。)しており、これが右各社の唯一の広告手段であつたこと、そのころ、よいときには月商一億円程度を挙げ、その広告料は一か月約八三〇万円程度であつたことが認められるけれども、これらの事実から、右広告に掲載されていない本件物件についての鉄建住宅の本件不法行為を知り、容認していたことを推認することはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。

2  <証拠>によれば、次の事実が認められる。

(一)  「ニュー共済ファミリー」は、毎号、目次の頁に「『共済ファミリー』は、組合員およびそのご家族の皆様のために共済制度の知識の普及と福祉向上を推進し、よりよい生活づくりにお役に立つことを目的に、昭和四六年七月に創刊された雑誌です。」と掲載している。

(二)  分譲地の広告は、「ニュー共済ファミリー特選分譲地情報」とし、それぞれ、概要、説明文を掲載し、売主として不動産業者名を挙げているが、資料請求は電話又ははがきで左記へ連絡することとして、被告会社の住所、社名、電話番号を掲載している。とじ込みはがきは、四枚のうち一枚が分譲地情報資料請求用となつており、これには「ニュー共済ファミリー掲載の分譲地はすべて優良物件ばかりです。お早目に下記ハガキで資料請求の上ご検討ください。」と記載されている。

(三)  バス見学会については、「土地は一生に一度の大切な買物です。バス見学会でじつくりと分譲地をご覧ください。」と記載したうえ、主催・ニュー共済ファミリー、協賛・不動産会社としている。申込先も被告会社である。また、現地案内のお知らせとして、「毎週日曜日、上野駅一一時三分発の列車の三号車前で、みどり色の案内旗(ニュー共済ファミリー)を持つた係員がお待ちしております。」と掲載している。

(四)  被告会社は、「ニュー共済ファミリー」で分譲地の記事を見た人からはがきによる資料請求申込を受けると、希望された分譲地の売主である業者に取り次ぎ、その後被告会社が関与することはない。

(五)  被告会社は、分譲地の広告を掲載するについては、物件の所有者、不動産業者が売却についての委任状を受領しているかを調べ、物件を見て、安くて造成がしつかりしていれば優良物件として掲載していたが、本件物件については掲載されていない。

(六)  被告らは、昭和五七年一〇月ころ、読者から宇田川町に営業所があるかという問合わせがあつたのをきつかけに、鉄建住宅が被告会社の名を使用していることを知つたので、名刺、封筒等を取り上げ、同年一一月一三日付、同月一七日付の内容証明郵便で被告会社の名称を使用しないよう通告するとともに、新たに広告の注文を受けることを中止し、既に出された広告を見て資料請求をしてくる者があつても鉄建住宅には取り次がず、鉄建住宅との関係を断つた。

3 以上の事実によれば、被告らが鉄建住宅の本件不法行為に積極的に加担したものと認められないのは勿論、これを予見し、もしくは予見可能であつたと認めることもできない。

しかしながら「ニュー共済ファミリー」は、その名称、同誌上に掲載されている発行の趣旨、記事の内容、配布方法から、公務員共済組合の機関誌ないしこれと密接な関係にあるものとして一般の公務員が信頼をおく可能性は極めて高く、被告会社もその故にこそこのような名称を使用し、配布方法をとつて、通信販売ないし広告掲載による利益を取得して経営してきたものということができる。

そうであるならば、被告らとしては、被告会社を信用し、被告会社が推せんする業者、物件であるということで取引に入る顧客の信用を裏切らないようにするべき注意義務があり、これを避けようとするなら、被告会社は単に広告を掲載するだけで、取引については何ら責任を負うものではないことを表示するなどして、顧客がより慎重に取引に臨むよう配慮すべきであつたということができる。

4 原告は、「ニュー共済ファミリー」には掲載されていない本件物件について、登記簿上の所有者は南房商事であること、現地は松林で未だ造成されていないことを知りながら、仮登記など、所有権移転の保全措置をとることもなく、短期間に代金の大部分を支払つており、高額の不動産を買受ける者として軽率のそしりを免れないけれども、原告がこのような取引をしたのも「ニュー共済ファミリー」とその掲載記事を信用したからであることからすれば、被告らは、前記注意義務違反と相当因果関係にある損害として、原告が鉄建住宅の不法行為によつてこうむつた損害額の三割を賠償すべきものと認めるのが相当である。

四以上により、原告の本訴請求を、三〇九万六〇〇〇円とこれに対する鉄建住宅の不法行為の後である昭和五七年五月一八日から支払ずみまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九二条、九三条を、仮執行宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官大城光代)

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